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コンタクトレンズによる目の障害の具体例 -2009年9月-

コンタクトレンズによる障害は、主に黒目(角膜)と白目(結膜)に生じます。角膜の表面を上皮といいますが、この上皮の障害はその深さによって重症度が異なります。最も浅い障害を点状表層角膜症、次に上皮が欠損した状態を角膜びらん、さらに上皮を越えた深い障害を角膜潰瘍といいます。障害が深くなればなるほど、治るまでに時間がかかり、最悪の場合には失明に至ることもあります。

コンタクトレンズの使用によって、①酸素不足が生じたり、②角膜に傷がついたり、③感染を起こしたり、④目が乾燥したり、⑤アレルギー反応を生じるなどの障害が起こります。

1.角膜に酸素不足が起こると、まず周囲の結膜の血管が拡張して、角膜に血液や酸素を補充しようとする反応(充血)が起こります。それでも酸素が足りないと角膜上皮は障害を生じます。装用したまま眠ったり、不規則にコンタクトレンズを使用している人が急に長時間装用したりすると、角膜びらんを生じることがあります(図1)。


(図1)酸素不足による角膜びらん
※特殊な色素で病変部は緑色に染めています。

2.コンタクトレンズと角膜の間に異物が入ったり(図2)、破損したコンタクトレンズを目に入れたり、ひどい汚れが付着したコンタクトレンズを入れた場合などに角膜に傷がつきます(図3,4)。また、目に適合していないカーブやデザインのコンタクトレンズを装用しても角膜に傷がつくことがあります(図5,6)。


(図2)ハードコンタクトレンズと角膜の間に入った異物による角膜上皮障害
※特殊なブルーのフィルターをかけています。


(図3)汚れたハードコンタクトレンズ


(図4)汚れたハードコンタクトレンズによる角膜上皮障害


(図5)ハードコンタクトレンズのフィッティング不良による角膜びらん
※特殊な色素で病変部は緑色に染めています。


(図6)ソフトコンタクトレンズのフィッティング不良による角膜びらん
※特殊なブルーのフィルターをかけています。

3.角膜の上皮障害に細菌やカビ、アメーバが感染すると重症化します(図7,8,9)。ハードコンタクトレンズではこうした感染症はほとんど起こりませんが、ソフトコンタクトレンズでは装用感がよいために自覚がなく、発見が遅れて重症化します。こうした感染症は、レンズケアが不適切であったり、ディスポーザブル型のソフトコンタクトレンズを使用した後、レンズを捨てないで再使用したりした場合に多いです。


(図7)細菌による角膜潰瘍(山口大学 近間泰一郎氏提供)


(図8)カビによる角膜潰瘍(山口大学 近間泰一郎氏提供)


(図9)アメーバによる角膜潰瘍(山口大学 近間泰一郎氏提供)

4.コンタクトレンズを装用するとコンタクトレンズは周囲の涙を吸引するので、目が乾きやすくなります。このため角膜や結膜に障害を起こすことがあります。とくにハードコンタクトレンズの使用者で結膜の横の部分が赤く充血している場合には同部にも点状表層角膜症を生じていることが多いです(図10)。ソフトコンタクトレンズの使用者では瞳孔領の下方に点状表層角膜症を生じやすいです(図11)。


(図10)乾燥による角膜上皮障害(ハードコンタクトレンズ装用)
※特殊なブルーのフィルターをかけています。


(図11)乾燥による角膜上皮障害(ソフトコンタクトレンズ装用)
※特殊なブルーのフィルターをかけています。

5.コンタクトレンズの汚れにより、上まぶたの裏側の結膜にアレルギーの反応が起こります。乳頭というブツブツが結膜にできて(巨大乳頭結膜炎)、目がかゆくなったり、目からの分泌物が多くなります(図12)。


(図12)アレルギー反応による巨大乳頭結膜炎(ソフトコンタクトレンズ装用)