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コンタクトレンズによる目の障害の原因 -2009年9月-

 コンタクトレンズによる目の障害は、その装用を中止して点眼薬などで治癒させても、コンタクトレンズの装用に原因があれば、同じ障害を繰り返し引き起こします。原因として考えられるものを以下に記します。
1.処方
 コンタクトレンズは誰でも使用できるわけではありません。コンタクトレンズを装用する上で問題となる目の疾患がある人や、コンタクトレンズ装用によって目の疾患が生じる、あるいは増悪する人にはコンタクトレンズを処方できません。適切なコンタクトレンズを選択し、良好なフィッティングが得られないと目の障害が生じます。そして、コンタクトレンズを正しく使用するためには、十分な説明と指導が欠かせません。
 コンタクトレンズの処方にあたっては専門的な知識と技術を必要とします。そのため、コンタクトレンズに精通していない医師による処方で目の障害を生じたという報告も数多くあります。目の障害に対しては適切な治療と再発しないための対応が求められますが、こうした医師では十分な対処ができないことも問題です。コンタクトレンズの処方は眼科専門医によるべきと考えます。眼科専門医というのは日本眼科学会が認定する眼科専門医のことです。同学会のウェブページ(http://www.nichigan.or.jp/index.jsp)で確認することができます。
2.使用方法
 コンタクトレンズの使用にあたっては医師の指示ならびにコンタクトレンズの添付文書に記載してある内容を遵守しなければなりませんが、これらに従わなかったために目の障害を生じた症例が多いです。具体的には長時間装用や連続装用などの無理な装用、ディスポーザブルソフトコンタクトレンズの再使用、頻回交換型のソフトコンタクトレンズおよび定期交換型のソフトコンタクトレンズの使用期限を超えた使用などです。メガネを持っていない、あるいは普段の生活でほとんどメガネを併用しないため、目の調子が悪くてもコンタクトレンズをはずさずに、障害が悪化することも多いです。
3.コンタクトレンズ自体
 酸素透過性の悪いコンタクトレンズでは酸素不足による目の障害が発生しやすいです。一方、酸素透過性の高いソフトコンタクトレンズは汚れが付着しやすい、レンズに傷や破損が生じやすい、レンズが変形しやすいという問題があり、これらが原因で目の障害を引き起こすことがあります。若者を中心に人気のあるカラーソフトコンタクトレンズはレンズに人工的な着色が施されていますが、製品によってはこの着色の方法が問題で、角膜に障害を起こしやすいです。また、カラーソフトコンタクトレンズにはいろいろな規格(サイズ、カーブ、厚み)やデザインがないため、目に合わないものを無理に装用して、目の障害を生じる場合もあります。
4.レンズケア
 ディスポーザブルソフトコンタクトレンズ以外のコンタクトレンズではケアを必要としますが、適切なケアをしないと種々の目の障害が生じます。数多くの商品が市販されていますが、その洗浄効果や消毒効果には差があり、安いから、あるいは簡便だからといって不適切な商品を安易に使用すると目の障害を生じます。レンズケアについても医師の指示、ならびにケア用品の添付文書の内容を遵守しなければなりませんが、コンタクトレンズの使用に慣れてくると、必要なケアを毎日行わない人がいます。手洗いが不十分だと、コンタクトレンズの取り扱い時に手指の汚れがコンタクトレンズ表面に付着することもあります。また、ケア用品は化学物質を含んでいますが、これらによる細胞毒性やアレルギーによって目の障害が生じることもあります。さらに、コンタクトレンズは清潔にしていても、コンタクトレンズを保管するケースが汚れていると目の障害が生じます。
5.定期検査
 コンタクトレンズの使用にあたっては定期検査が大切です。定期検査ではコンタクトレンズによる視力だけでなく、コンタクトレンズのフィッティング状態やレンズの汚れ、傷、破損、変形の有無とその程度などを確認し、問題があれば適切な対応を行います。コンタクトレンズ使用者が自覚しないような目の障害が定期検査で見つかることもあります。目の障害の早期発見、早期治療のためにも、異常を自覚していなくても定期検査を受ける必要があります。
 ※日本コンタクトレンズ協会が「快適なコンタクトレンズライフのために」というリーフレットを作成しています。同リーフレットは日本コンタクトレンズ協会のホームページ(http://www.jcla.gr.jp/)、日本コンタクトレンズ学会のホームページ(http://www.clgakkai.jp/)、日本眼科医会のホームページ(http://www.gankaikai.or.jp/)からダウンロードすることができます。このリーフレットの作成に当院の院長は関わりました。