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経済産業省管轄の独立行政法人製品評価技術基盤機構の報告書 -2009年9月-

経済産業省管轄の独立行政法人製品評価技術基盤機構(略称:NITE)は、国民生活の安全に貢献し、将来の産業活力の基礎となる技術基盤の構築を責務として、市民社会のリスクを総合的に削減することを目標に活動しています。
このNITEが「視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズに関する調査委員会」を設置し、このコンタクトレンズについての問題をまとめ、厚生労働省と経済産業省に提言をしました。この委員会は厚生労働省医薬食品局、経済産業省製造局ならびに商務情報政策局、日本コンタクトレンズ学会、日本眼科医会、日本コンタクトレンズ協会、国民生活センター、国立医薬食品衛生研究所、食品薬品安全センター、化学技術戦略推進機構、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会、主婦連合会ならびコンタクトレンズ製造メーカー等から委員が選出されました。当院の院長は日本眼科医会の委員として参加しました。

1.眼障害調査
おしゃれ用カラーコンタクトレンズの使用によって生じた眼障害について、日本眼科医会が調査したところ、眼科医145人から167件の報告例がありました(平成17年10月3日から平成20年2月26日までの診察に係るもの)。
167件のうち、重傷(治療期間が30日以上要する)は21件で、このうち後遺症の可能性があるものは13件でした。これらの結果を表に示します。両眼に障害が生じたものは99件でした。重傷では角膜潰瘍10件、角膜炎6件、角膜びらん2件と黒目(角膜)による障害が多かったです。その原因としては、使用方法によるものが88件、品質によるものが28件でした。これらの結果を表に示します。
眼障害を生じた人の99%は、おしゃれ用カラーコンタクトレンズを購入する前に眼科医の診断を受けていませんでした。また、販売店やインターネットなどで購入したけれども、その際に使用説明を受けていない人は84%でした。これらの結果を図に示します。

2.提言
1)販売事業者の対応について
おしゃれ用カラーコンタクトレンズ使用による眼障害の実態では、レンズの手入れ不足による角膜炎症、装用したまま就寝したことによる角膜障害が明らかとなり、不適切な使用が及ぼす危険性について、店頭で説明されなかったことが原因と考えられる感染症の発生等がみられた。 これらのことから、販売事業者は販売の責任を有する者を置くことによって、販売時に購入者に対し、リスクを含めた適切な情報提供を行うべきであり、こうした対応が担保される仕組み作りが必要である。
なお、インターネットを通じて販売されるものについても同様の情報提供が行われるようにすべきである。
2)製造事業者、輸入事業者の対応について
(1) 適切な情報提供
おしゃれ用カラーコンタクトレンズの販売事業者が、レンズの購入者に対して装用等に伴うリスクや適切な使用方法等について説明できるよう、製造事業者や輸入事業者は販売事業者に対し、必要な情報提供を行うことが重要である。説明を行う際に、当該説明の適切性を確保する観点から、レンズの性状を正確に認識するためにおしゃれ用カラーコンタクトレンズの仕様を適切に表示するとともに、その仕様に適合したレンズが製造、輸入されるようにすべきである。
また、装用する使用者自らの注意を促す観点から、次の事項について表示する、あるいは、取扱説明書に記載し添付すべきである。
・適切な装用時間の目安と長時間装用の危険性
・保存等の方法
・眼障害を生じた場合には眼科医の診察の必要性
・夜間運転等に不向きであること
・使用方法(着脱の仕方)
・メンテナンスの仕方
以上の対応が担保される仕組み作りが必要である。
(2) 製造・輸入基準
おしゃれ用カラーコンタクトレンズは、視力補正用コンタクトレンズと同様、眼の粘膜に直接接触するものであり、また、視力補正用コンタクトレンズに比べて多量の着色剤が使用されていることから、視力補正用コンタクトレンズに求められている臨床要求事項、化学的要求事項、生物学的要求事項等について、同等の安全性を確保するための基準を設け、その基準に適合したもののみ製造・輸入されるべきである。
以上について、製造事業者、輸入事業者が扱うおしゃれ用カラーコンタクトレンズの物理的特性等の品質が担保される仕組みが必要である。
(3) 市販前の事前チェック体制の必要性
製造・輸入事業者が上記に示す要求事項に合致した製品を製造・輸入することを担保するために市販前の製品をチェックする体制を整備する必要がある。
3)規制の在り方について
おしゃれ用カラーコンタクトレンズは、現在、消費生活用製品に位置づけられており、今回の実態調査結果を踏まえ、消費生活用製品安全法に基づく特別特定製品への指定などにより規制の強化が図られるべきものと考えられる。しかしながら、同法による規制では、製造段階の品質管理、販売業者に対する規制、市販後安全対策などの点で必ずしも十分な規制とならないおそれがあることから、角膜に接触させて使用する視力補正用コンタクトレンズの規制を行っている薬事法に、新たに本品を取り込んで、視力補正用コンタクトレンズと同様の規制を行う方策を検討すべきである。
※上記の内容はホームページhttp://www.nite.go.jp/jiko/press/prs080710.htmlに記載されています。


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