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一般演題抄録 -第47回 日本コンタクトレンズ学会-

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第47回 日本コンタクトレンズ学会
   ・開催日時  2004年7月10日(土)ー11日(日)
    ・開催場所   札幌市 札幌コンベンションセンター
・主  催   福島県立医科大学眼科学教室


●2週間頻回トーリックソフトコンタクトレンズの使用経験

●ポビドンヨード製剤(クレンサイドR)による角結膜障害が疑われた2例

●各種コンタクトレンズのコントラスト視力

●当院における老視の矯正手段の調査

2週間頻回トーリックソフトコンタクトレンズの使用経験
ウエダ眼科  植田 喜一,山本 達也,大下 健悟,永井 浩一

目的:
 乱視矯正を必要とする症例に対してトーリックソフトコンタクトレンズを処方する機会が増えているが、この度、新たに2週間で頻回交換するレンズが市販された。そこで、我々はそのレンズの有用性を検討したので報告する。

方法:
 近視性乱視19例35眼に後面トーリックでプリズムバラストを採用したロートi.Q.14トーリック(ロート製薬株式会社)を処方した。処方時及び装用期間中の矯正視力、レンズのフィッティング、レンズのガイドマークの安定性、観察終了日と処方時のガイドマークの回転幅、前眼部所見並びにアンケート調査による自覚症状を評価した。による自覚症状を評価した。

結果:
 本レンズによる処方時及び装用期間(13.9日±3.4日)中の矯正視力は全例1.0以上で、レンズのフィッティング(センタリングと動き)は良好であった。ガイドマークの安定位置は10°以内が91~94%であった。観察終了日と処方時のガイドマークの回転幅は10°以内が94%であった。経過観察中にレンズ装用に伴う重篤な角結膜障害はみられず、自覚的アンケート調査でも良好な評価が得られた。覚的アンケート調査でも良好な評価が得られた。

結論:
 本レンズは乱視の矯正効果が高く、安全で、自覚的満足も高い有用なレンズであると考えられた。


ポビドンヨード製剤(クレンサイド(R))による角結膜障害が疑われた2例
ウエダ眼科  植田 喜一,大下 健悟,
はらクリニック  原 紀正

目的:
 ポビドンヨード製剤は消毒効果が高いソフトコンタクトレンズ(SCL)消毒剤であるが、眼薬剤アレルギーが起こる可能性がある。当院でクレンサイド(R)を使用したSCL使用者100名のうち2名に本剤に起因すると考えられる眼薬剤アレルギーを経験したので報告する。

対象・方法:
 症例は頻回交換SCLを装用していた21歳の女性と16歳の男性である。クレンサイド(R)を使用して1例目は63日目に、2例目は32日目に両眼の異物感と充血を自覚した。2例とも両眼に輪部充血、輪部の点状表層角膜症様の上皮障害、角膜周辺部の小さな角膜浸潤を認めた。2例とも抗生剤とステロイド剤の点眼で治癒したが、クレンサイドRの再使用で角結膜障害は再発した。1例目はクレンサイド(Rの)使用を中止して他のコールド消毒剤に、2例目はデイリーディスポーザブルSCLに変更してからは角結膜障害は再発しなかった。2例とも皮膚科の医師にケア用品のパッチテストを依頼したが、明らかな陽性結果は得られなかった。

考按:
 臨床経過よりポビドンヨード製剤によると思われる眼薬剤アレルギーを経験した。コールド消毒剤は薬剤を用いた消毒剤であるため、眼薬剤アレルギーの発症を念頭におき、十分な経過観察を行う必要がある。


各種コンタクトレンズのコントラスト視力
ウエダ眼科  植田 喜一,永井浩一
眼科あおいクリニック 稲垣恭子

目的:
 頻回交換型のソフトコンタクトレンズ(SCL)の普及はめざましいが、乱視眼に対してもガス透過性ハードコンタクトレンズ(RGPCL)ではなく頻回交換型のトーリックSCLが処方される機会が増えている。そこで、我々は乱視の矯正を考慮してRGPCL、球面SCL、トーリックSCLの3種について、コントラスト視力を比較検討したので報告する。

方法:
 対象を軽度の乱視(-1.00D以下)群と中等度以上の乱視(-1.25D以上)群に分けて、軽度の乱視群にはRGPCLと球面SCL、中等度以上の乱視群にはRGPCLとトーリックSCLを装用し、コントラスト感度視力検査装置で昼間及び薄暮状態を想定した測定環境での4種類のコントラスト比(100%,25%,10%,5%)におけるLog MAR視力を測定した。

結果:
 軽度の乱視群はRGPCL及び球面SCLで1.0以上の視力が得られた29眼を、中等度以上の乱視群は球面SCLでは1.0以上の視力が得られずRGPCL及びトーリックSCLで1.0以上の視力が得られた24眼を対象とした。軽度の乱視群では球面SCLのLog MAR視力はRGPCLと比較して、昼間、薄暮共に全てのコントラスト比で差が認められなかった。中等度以上の乱視群ではトーリックSCLのLog MAR視力はRGPCLと比較して、昼間の25%と10%(P<0.01)、薄暮の10%(P<0.05)のコントラスト比で低下を認めた。

考按:
 乱視の矯正にはトーリックSCLよりもRGPCLの方が良好な視機能が得られることが示唆された。

当院における老視の矯正手段の調査
ウエダ眼科  神本良香,植田喜一

目的:
 老視の矯正には眼鏡およびコンタクトレンズ(CL)が使用されるが、遠近両用眼鏡に比して遠近両用CLの普及率は高いとはいえない。そこで、当院で遠近両用眼鏡及び遠近両用CLを処方した症例をレトロスペクティブに調査した結果を報告する。

方法:
 平成15年1月4日から平成15年12月29日に遠近両用眼鏡レンズ及び遠近両用ハードコンタクトレンズ(HCL)、遠近両用ソフトコンタクトレンズ(SCL)を処方した41歳以上の98例179眼を対象に年齢、レンズの処方枚数、レンズの加入度数、眼鏡レンズの等価球面度数とCLの遠用度数を調べた。

結果:
 遠近両用眼鏡レンズ、遠近両用HCL、遠近両用SCLについてそれぞれ年齢は61.5±8.9歳,54.0±6.2歳,53.3±4.3歳、処方枚数は103枚,32枚,44枚、加入度数は+2.19±0.32D,+1.50±0.48D,+2.44±0.16D、等価球面度数と遠用度数は-0.15±2.45D,-3.55±3.44D,-1.57±2.99Dであった。

結論:
 遠近両用眼鏡に比して遠近両用CLの処方枚数は少なく、遠近両用CLを希望した年齢は50~54歳をピークとした狭い年齢層に限られていた。近見困難を訴えるCL使用者には積極的に遠近両用CLの処方を考慮することが望ましい。